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■完全対策 N0.2 数列・漸化式の極意

はじめに
●2017年版の特徴
新版では、旧版の2015年版に対して、2016年及び2017年に出題された数列と漸化式に関わる主要な問題をすべて収録し、さらに整数に関連する問題を補強しました。さらに、ネピアの数eに収束する数列の極限の問題や区分求積法を利用する問題も補強しました。
●本書の目的
数列と漸化式は、入試問題ではもっとも出題頻度の高い分野の1つです。ほぼ半数の問題には、主題または副題として登場しますが、この分野は実は「完璧な準備」が可能です。この分野にエネルギーを集中すれば、入試における「得意分野」ができあがります。
特に重要なのは「漸化式」です。この分野は大きく10のパターンに分けることができ、これらは等比数列・等差数列・階差数列などに帰着できます。多くは2項間漸化式・3項間漸化式・分数漸化式の「特性方程式」を利用しますが、この方程式から得られる特性解との差が等比数列や等差数列になります。
数列は、図形と方程式や複素数平面と組み合わせた融合問題に登場するほか、三角関数や微積分、確率などと組み合わせて出題されます。図形や確率と組み合わされた場合には、漸化式は自分で作らなければならないことが頻繁に生じます。いつも誘導に頼っていては、漸化式の解法が武器にはなりません。
たとえ漸化式の問題で誘導を利用しても、その根底に横たわる理論は自分のものにしておかないと、漸化式を自分で作って解くことはできません。本書の中心は「漸化式の10種パターンの完全対策」です。これらを基礎にして、さまざまなテクニックを身に着けて、数列と漸化式を得意分野にしてください。
●本書の内容
なお本書では、数Bのみならず、数A・数Ⅱ・数Ⅲのすべての分野で登場する数列と漸化式の問題を一括してあつかいます。普通レベル(Bレベル、次の見開きに掲載の「本書における問題の分類」ご参照ください)と上級レベル(Cレベル、同)の入試問題を中心として収録し、その前段階には数多くの基本例題を収録しました。
まず第1章「数列の問題」は、次章の「漸化式の10種パターンの完全対策」の準備をかねて、数列の基礎的事項と数列単独での入試問題を紹介します。中レベルの問題から難問までの良問を選んであります。教科書では例題が不足する群数列も強化してあります。
第2章「漸化式10種パターンの完全対策」ではいよいよ漸化式のパターンを解説します。この章の特長は、漸化式の10種パターンのために用意した12の「基本例題」です。これらは、係数をできるだけ簡単にした漸化式を解いたものです。これらの基本例題をマスターして「解法を瞬時に見つけ出す」ことができるようにしてください。
3項間漸化式の後には、その一種である「フィボナッチ数列」の問題をまとめて示しました。これは最近頻出の問題群であり、一度は解いておかないといけない問題です。
第3章「数列・漸化式の応用問題」は、「漸化式の10種パターンの完全対策」の最初の応用問題群です。部分和から一般項を求める問題や連立漸化式、センター試験の融合問題など、数列と漸化式を組み合わせた、数列以外の分野には踏み出さない分野の入試問題群を取り上げました。これらの問題を第3章に融合させる方法もありますが、「漸化式の10種パターン」を際立たせるために別の章に分けました。
第4章「数列・級数の極限値の問題」は、数列の極限に関する例題や入試問題群を取り上げました。入試問題では、数列を求めてその極限を問う応用問題が頻繁に出題されます。これで数列・漸化式の問題の道具立てがそろいました。区分求積法やはさみうちの原理など、難題満載です。
第5章と第6章が「漸化式の10種パターン」の本格的な応用問題です。第5章「三角関数と微積分の漸化式」では、三角関数や積分についてすでに確立されている数学に登場する数列・漸化式の問題を取り上げました。
第6章「数列・漸化式の融合問題」は、数列と漸化式を組み込んだ図形や確率の融合問題を取り上げました。特徴は「漸化式を自分で作らなければならない」という点です。
前半の図形や複素数の問題は比較的やさしい問題なのですが、後半の確率数列や確率漸化式の問題は、入試問題の中でも難問揃いの厄介な分野です。東大・京大・一橋大・東工大・慶応大/医の受験生は、これらの問題を繰り返し解いて、どんな漸化式も自分で作れるようにしておくことが必要です。
本書により、受験生諸君が1つの大きな武器を手にされることを祈願します。

2017年7月
著者

目次
第1章 数列の問題
1.1 等差数列・等比数列の問題
●数列の基本問題
《基本例題1.1.1》(等差数列のやさしい問題) 2008年岩手大/教育
《基本例題1.1.2》(等差数列と等比数列の融合問題) 2009年佐賀大/教育
《入試問題1.1.1》(難易度B) 2010年聖マリアンナ医大
●数列の各項を求める問題
《入試問題1.1.2》(難易度B) 2006年小樽商大
《入試問題1.1.3》(難易度B) 2014年自治医科大
1.2 自然数の数列のn乗和
●自然数の数列のn乗和を求める問題
《基本例題1.2.1》(自然数の数列のn乗和の問題) 2010年九大文系
●自然数の数列の(n乗×k)などの和を求める問題
《入試問題1.2.1》(難易度C) 複数大学
《入試問題1.2.2》(難易度C) 2015年横浜市大/医
《入試問題1.2.3》(難易度C) 新作問題
1.3 整数数列に関する問題
●等差数列・等比数列に関する整数問題
《入試問題1.3.1》(難易度B) 1991年横浜国大
《入試問題1.3.2》(難易度B) 2008年大分大/工
●格子点の数を数える問題
《入試問題1.3.3》(難易度C) 2015年慈恵医大
《入試問題1.3.4》(難易度C) 2014年早大/商
《入試問題1.3.5》(難易度D) 1998年東大理科
1.4 さまざまな数列の計算問題
●分数数列の問題
《入試問題1.4.1》(難易度B) 2002年一橋大後期
《入試問題1.4.2》(難易度B) 2007年武蔵工大
《入試問題1.4.3》(難易度B) 2017年昭和大/医
1.5 三角関数の数列の問題
●三角関数による数列
《入試問題1.5.1》(難易度B) 2015年一橋大
《入試問題1.5.2》(難易度C) 2017年横浜市大/医
《入試問題1.5.2》(難易度C) 2008年九大文系
1.6 ガウス記号を使った数列の問題
《入試問題1.6.1》(難易度C) 2011年関西学院大
《入試問題1.6.2》(難易度C) 2011年東大文理
1.7 群数列の問題
《入試問題1.7.1》(難易度B) 2008年北見工大
《入試問題1.7.2》(難易度B) 2012年横浜市大/医
《入試問題1.7.3》(難易度C) 2014年慶応大/商
《入試問題1.7.4》(難易度C) 2014年関西学院大/理工
《入試問題1.7.5》(難易度C) 2010年センター試験

第2章 漸化式の10種パターンの完全対策
2.1 漸化式の分類
●10種のパターンの漸化式
●その他の漸化式
2.2 等差・等比数列と階差数列型の漸化式
●階差数列と特性方程式型数列
《基本例題2.2.1》(等比・等差数列、階差数列[1]) 新作問題
《基本例題2.2.2》(階差数列[1]) 2003年札幌学院大
2.3 2項間特性方程式型の漸化式
●特性方程式型漸化式
《基本例題2.3.1》(多項式型漸化式[3]) 新作問題
《入試問題2.3.1》(難易度B) 2014年自治医科大
《入試問題2.3.2》(難易度B) 2008年関西大/商
2.4 指数型・対数型の漸化式
●指数型・対数型漸化式は階差数列か2項間特性方程式
●指数型漸化式
●対数型漸化式
《基本例題2.4.1》(指数型[4]・対数型[5]の漸化式) 新作問題
《基本例題2.4.1》(多項式型漸化式[3]) 2007年信州大/工
《入試問題2.4.1》(難易度C) 2017年阪大文系
《入試問題2.4.2》(難易度C) 2011年静岡大理系
2.5 公比型・割り算型の漸化式
●公比型・割り算型の漸化式は等比数列の拡張パターン
●公比型漸化式はan / an-1を計算する
●割り算型漸化式はnの多項式で割って置き換える
《基本例題2.5.1》(公比型[6]・割り算型[7]の漸化式) 新作問題
《入試問題2.5.1》(難易度B) 2007年広島工大
《入試問題2.5.2》(難易度C) 新作問題
2.6 逆数型の漸化式
●逆数型の漸化式は分数型漸化式の特殊なパターン
《基本例題2.6.1》(逆数型の漸化式) 新作問題
《入試問題2.6.1》(難易度B) 2013年福岡教育大
2.7 分数型の漸化式
●分数型の漸化式は3つのパターンに分かれる
●分数型漸化式の解法
《基本例題2.7.1》(分数型の漸化式) 新作問題
《入試問題2.7.1》(難易度C) 2008年東北大後期
《入試問題2.7.2》(難易度C) 2015年東工大
《入試問題2.7.3》(難易度C) 2010年同志社大/理系
2.8 3項間漸化式
●3項間漸化式は2項間漸化式に帰着させる
●3項間漸化式の解法
《基本例題2.8.1》(3項間漸化式) 新作問題
《入試問題2.8.1》(難易度B) 2012年慶応大/医
《入試問題2.8.2》(難易度B) 2007年北里大/ 医
《入試問題2.8.3》(難易度B) 2017年昭和大/医
《入試問題2.8.4》(難易度C) 2011年関西学院大/文系
《入試問題2.8.5》(難易度C) 2016年横浜市大/医
2.9 フィボナッチ数列の問題
《基本例題2.9.1》(フィボナッチ数列の一般項) 有名問題
《基本例題2.9.2》(フィボナッチ数列が満たす関係式) 有名問題
《基本例題2.9.3》(フィボナッチ数列が満たす関係式) 有名問題
《入試問題2.9.1》(難易度B) 2001年横浜国大/工
《入試問題2.9.2》(難易度C) 2013年京都府立医大
《入試問題2.9.3》(難易度C) 2007年京大理系
《入試問題2.9.4》(難易度C) 2014年北里大/医
2.10 数学的帰納法によって求める数列
《入試問題2.10.1》(難易度B) 新作問題
《入試問題2.10.2》(難易度C) 2007年群馬大/医
《入試問題2.10.3》(難易度C) 2015年東大理科

第3章 数列・漸化式の応用問題
3.1 数列の部分和をあつかう問題
《基本例題3.1.1》(部分和を含む漸化式の問題) 新作問題
●自然数の数列の部分和の問題
《入試問題3.1.1》(難易度B) 2014年昭和大/医
《入試問題3.1.2》(難易度B) 2016年東海大/医
《入試問題3.1.3》(難易度B) 2014年大阪府大/理工
《入試問題3.1.4》(難易度C) 2002年京大/理系
3.2 連立漸化式の問題
●対称型連立漸化式の場合
●非対称型連立漸化式の場合
《基本例題3.2.1》(対称型・非対称型の連立漸化式の問題)新作問題 133
《基本例題3.2.2》(対称型連立漸化式の問題) 2008年東大文理共通
《入試問題3.2.1》(難易度B) 2002年三重大/医・理
3.3 数列に関する不等式を示す問題
《入試問題3.3.1》(難易度C) 2013年大阪府大/理工
《入試問題3.3.2》(難易度C) 2012年神戸大文系

第4章 数列・級数の極限値の問題
4.1 数列・級数の極限の7つのパターン
《基本例題4.1.1》(極限値計算の典型問題) 新作問題
《入試問題4.1.1》(難易度B) 2008年関西大理系
《入試問題4.1.2》(難易度B) 2001年広島大理系
4.2 べき乗や階乗を含む極限の問題
《入試問題4.2.1》(難易度C) 2012年京大理系
4.3 ネピアの数eに収束する数列の問題
《基本例題4.3.1》(eに収束する極限) 2008年関西大学理系
《入試問題4.3.1》(難易度C) 2011年関西大学理系
4.4 区分求積法を利用する問題
●2種類の区分求積法
《基本例題4.4.1》(区分求積法の問題) 新作問題
《入試問題4.4.1》(難易度B) 複数大学
《入試問題4.4.2》(難易度C) 2012年東工大
《入試問題4.4.3》(難易度C) 2012年阪大理系後期
《入試問題4.4.4》(難易度D) 2016年新潟大学理系
《入試問題4.4.5》(難易度D) 2003年京大理系後期
4.5 確率の数列・級数の問題
《入試問題4.5.1》(難易度B) 2017年横浜市大/医
4.6 区分求積法を使う図形や確率の問題
●区分求積法を使う図形の問題
《入試問題4.6.1》(難易度B) 2009年青山学院大/理工
《入試問題4.6.2》(難易度B) 2007年東北大理系後期
●区分求積法を使う確率の問題
《入試問題4.6.3》(難易度C) 2010年京大理系
《入試問題4.6.4》(難易度C) 2010年福井大/医
《入試問題4.6.5》(難易度D) 2016年横浜市大/医
4.7 はさみうちの原理を利用する問題
●はさみうちの原理の使い方
《入試問題4.7.1》(難易度C) 1992年東京医科歯科大
《入試問題4.7.2》(難易度C) 2013年東北大理系
《入試問題4.7.3》(難易度C) 2014年阪大/理系
●区分求積法とはさみうちの原理の両方を使う入試問題
《入試問題4.7.4》(難易度D) 2000年阪大/理系
《入試問題4.7.5》(難易度D) 2013年阪大挑戦枠

第5章 三角関数と微積分の漸化式
5.1 三角関数の漸化式の問題
《入試問題5.1.1》(難易度B) 2016年一橋大
《入試問題5.1.2》(難易度C) 2016年阪大文理
5.2 チェビシェフの多項式の問題
●チェビシェフの多項式とは何か
《入試問題5.2.1》(難易度C) 2008年埼玉大/理系
《入試問題5.2.2》(難易度C) 2008年慶応大/医
《入試問題5.2.3》(難易度C) 2008年慈恵医大
5.3 積分漸化式の問題
●積分漸化式の分類
●不定積分の漸化式
《基本例題5.3.1》(不定積分の漸化式の問題) 新作問題
《入試問題5.3.1》(難易度B) 有名問題
《入試問題5.3.2》(難易度B) 2012年埼玉大/理系
●多項式の定積分の漸化式の入試問題
《入試問題5.3.3》(難易度B) 2004年東京電機大
《入試問題5.3.4》(難易度C) 2014年昭和大/医
《入試問題5.3.5》(難易度C) 2014年昭和大/医
●指数関数の定積分の漸化式の入試問題
《入試問題5.3.6》(難易度B) 2004年高知大理系
《入試問題5.3.7》(難易度C) 2004年高知大理系
《入試問題5.3.8》(難易度C) 2006年早大理工

第6章 数列・漸化式の融合問題
6.1 図形と方程式と漸化式の問題
《入試問題6.1.1》(難易度B) 2002年名大/経済
《入試問題6.1.2》(難易度C) 2007年南山大学/理系
《入試問題6.1.3》(難易度C) 2006年和歌山大
《入試問題6.1.4》(難易度C) 2014年東工大
6.2 複素数の漸化式の問題
《入試問題6.2.1》(難易度C) 2005年北大/理系
《入試問題6.2.2》(難易度C) 2004年名大/経済
6.3 確率と数列の問題
●確率と数列の問題
《入試問題6.3.1》(難易度C) 2013年大阪教育大
《入試問題6.3.2》(難易度C) 2014年京大文系
《入試問題6.3.3》(難易度C) 2013年昭和大/医
《入試問題6.3.4》(難易度C) 2016年東大文理
6.4 単独の確率漸化式の問題
●難関大で頻出の確率漸化式
●単独の確率漸化式の問題
《入試問題6.4.1》(難易度C) 2014年一橋大
《入試問題6.4.2》(難易度C) 2013年一橋大
《入試問題6.4.3》(難易度C) 2017年東工大
6.5 連立の確率漸化式の問題
●連立確率漸化式の問題
《入試問題6.5.1》(難易度C) 2011年一橋大
●3つの連立確率漸化式の問題
《入試問題6.5.2》(難易度C) 2016年一橋大
《入試問題6.5.3》(難易度C) 2016年京大理系
《入試問題6.5.4》(難易度C) 2016年京大理系
《入試問題6.5.5》(難易度C) 2012年東大文理
6.6 連立の確率漸化式の難問4題
《入試問題6.6.1》(難易度D) 2008年東大文理
《入試問題6.6.2》(難易度D) 2012年京大理系
《入試問題6.6.3》(難易度D) 2015年東大文理
《入試問題6.6.4》(難易度D) 2014年東京医科歯科大