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入試対策はいつから始めるのか

●数学入試対策:過去問はいつから解くべきか?

このご質問は地方で独学で難関大を目指す浪人生から頂戴したものですが、これに対して一般的な考え方を述べてみます。まず高校では下図(A)または(B)のような形で授業が進みます。

そして3年になってから「やおら」入試勉強を始めるケースが多く、それは「志望校が決まらないから」などと理由をつける高校生もいますが、これははっきり言って遅すぎます。
本サイトで使用しているABCDE評価を使って述べますが、難関大・医大を目指すなら、数Ⅰ・数Aおよび数Ⅱ・数Bをそれぞれ1年・2年で履修する際に、最低限青チャートレベルの問題は平行して全問マスターすることにより、BレベルおよびCレベルの半分くらいまでは解いておくべきです。 そして、履修が終わったら則、受験する大学の過去問を解き始めるべきです。そして数Ⅲに入るころには、模試で腕試しをするため、全分野の過去問を解き始めるべきです。これが(C)の型です。

  • Aレベル: 教科書レベル
  • Bレベル: 教科書を超えるやさし目の入試問題
  • Cレベル: 標準レベルの入試問題
  • Dレベル: 難問
  • Eレベル: 超難問(解かない方が得)

上の図を見れば一目瞭然なように、5科目の入試準備を3年になってゼロから始めたら、間に合うはずがありません。無謀です。各予備校の問題集や東京出版の書籍もすべて、青チャートなどの「わかりやすくやさしい参考書」をマスターした受験生のための、一歩先を目指す過去問ベースの参考書・問題集です。平行して読もうと思ったら大きな間違いです。

数学入試対策:センター試験問題はいつから解くべきか?

センター試験問題は教科書レベルの問題です。当然、中間・期末試験の準備に際しては、センター試験問題を解いて準備を済ましておくべきです。

●浪人生の数学入試対策:それでもまず基礎固めが必須!

そして、残念ながら浪人してしまった受験生は、もし万が一「わかりやすくやさしい参考書」のマスターが遅れているなら、やむを得ず、「過去問解きとわかりやすくやさしい参考書のマスターの同時並行」で6月くらいまでに追い付く必要があるでしょう。多分これは、他の科目を犠牲にしてもやり遂げなければならないお話です。それくらい、「わかりやすくやさしい参考書」のマスターは、必須で急務です。合格のための最初の入場券です。

●理数には部分点はない!

理数と他の科目との違いは、「理数には部分点はない」ということです。部分点は全科目に存在しますが、意味が違います。理数以外では半分しかわからなくても答案が書けますが、理数ではほとんどわかっていなければ答案が書けないのです。そして、「何も手が付けられない確率」は数学が最大です。だからこそ「難関大・医大」「文系難関大」では、手の付け方を述べた「解題」を最重要視しています。これがちゃんと書かれた問題集は見たことがありません。

辛口ですが、ご勘弁ください。これが実情です。筆者の場合、地方高校から予備校なしで東大現役合格を勝ち取るために、授業の進行に平行して赤チャートをマスターして、3年からZ会のABC問題を毎月解き、予備校模試を受けまくっていました。それでも当時は過去問の解説書がお粗末で、かなり苦労しました。あの頃こんな本があったらなあ、と思って作ったのが弊著のPDF書籍群です。

●受験勉強に塾専用問題集は無意味!

塾ではよく補習で問題集を使いますが、これは高校受験までしか有効ではありません。「問題集を使って解いた解答」は、生徒はほとんど後で振り返りません(振り返っても「読めない」ことが多いのですが)。1回限りで非効率です。
定期試験対策程度や高校受験程度なら、それでも解いた内容を頭が覚えているので成績アップにはつながります。しかし大学受験の場合、最低1年以上は前に勉強した内容を1年以上は完全に再活用できなければなりません。
「参考書」であるなら、どんな解法があり、どんな別解があり、解法をどう使い分けるのかがかなり事細かく書かれていて、何度も読み返すことができます。わからない問題のヒントを参考書で探すこと自体がトレーニングになります。きれいにかかれた解答を自分でトレースすることで、いつも正しい解答を、原点のない解答を確認し続けることができます。
問題数もそれなりにありますが、「この問題見たことある」と感じることは自信につながり、試験場での落ち着きにもつながります。問題集より参考書の方が自信になのです。
これくらい確実な基礎がないと、模試で問題が解けなくともその原因がわからず、五里霧中になってしまいます。受験大学の問題を解いても、その難易度や他の問題との比較ができず、「豚に真珠」になってしまいます。勉強にならないのです。
小生が急激に成績を伸ばした生徒にはすべて、高校生は青チャート、中学生もチャート式参考書があり、これらを使わせた結果が2→4とか進学校で学年20位とかの成果につながっています。例外なく。医大受験生も慶應大/理工受験生もすべて青チャートを使わせて「喧嘩できるレベル」までもっていきました。みな、顔つきが変わって頼もしくなっています。

●塾で補修を受けているうちに自分で勉強する方法を身に着ける

「塾は補習向き」であり、「受験は予備校」でしょう。塾には補習向きの教材しかなく、それ以外が使えないのが実情です。
しかし問題は、塾に通いながら受験生になって予備校に行ったら、何をどうしたらいいのかわからない、そういうレベルの受験生が塾によく見られます。塾には受験を指導できる教師はいません(いても教材など「自由度」が制限されていて、なにもさせてもらえません)。
受験に際しては予備校で学ぶわけですが、今度は個人指導はほとんどないので、「自分で勉強」しなければなりません。塾で「指示された通りにしか勉強してこなかった高校生」は勉強の仕方がわかりません。そのうち、青チャ等で基礎力を身に着ける時期を過ぎてしまって大騒ぎ、これが実情です。