■平面ベクトル問題
ベクトルが有利なのは次の2点です。
- 内積を通して角度があつかえる(角度問題に強い)。
- 直線あるいは線分上の内分点・外分点があつかいやすい。
それぞれのメリットを実感するのに最適な入試問題があり、以下に示します。内積はベクトルの初歩のレベルに属しますが、内分点・外分点をあつかうベクトル方程式は若干むずかしいので、[解説]ベクトル方程式を用意しておきます。これは筆者が受験したころは難問あつかいで,余り入試には出題されませんでしたが、最近は超頻出の問題です。
また、
- 平面ベクトルは一次独立な2つのベクトルの一次結合、
- 空間ベクトルは一次独立な3つのベクトルの一次結合
で表現でき、逆にそれらのベクトル平面ベクトル・空間ベクトルが0ベクトルの場合は、それらを構成する一次独立なベクトルの係数がすべて0になります。これもよく使われるテクニックです。
●ベクトルの位置と大きさの問題
[A]ベクトルの内積からパラメータを求める問題(2015年東京医科大11)
[B]ベクトルの内積からパラメータを求める問題(2016年東京医科大21)
[B]3つのベクトルの和の大きさの問題(2017年東海大/医115)
[A]単位ベクトルに変換する問題(2020年横浜市大/医12)
[B]三角不等式が使えるベクトルの問題(2012年青山学院大/経済32)
この問題は置き換えがキーポイントの、2乗しないで解いて欲しい問題です。大きさがわかっているベクトルを基本ベクトルとして定義するのがキーポイントです。
[B]ベクトルの内積の計算問題(2018年慶応大/医12)
[B]三角関数が成分のベクトルの内積の値域の問題(2014年東京医科大21)
[B]相加平均≧相乗平均を利用する平面ベクトル問題(2008年阪大文1理2)
[C]ベクトルの内積に関する連立方程式の問題(2018年東京医科大1)
[C]ベクトルの大きさの比の値域の問題(2016年一橋大51)
●シュミットの直交化法の問題
複数の1次独立なベクトル群から互いに直交する大きさが1のベクトル群を得る方法であり、大学では頻出であり、コンピュータでの計算にも利用されます。
[B]シュミットの直交化法の問題(2017年昭和大/医112)
[B]正規直交ベクトルの問題(2016年昭和大/医121)
●ベクトル方程式問題
[A]ベクトル方程式の基礎問題(2008年佐賀大/教育4)
これがベクトル方程式のもっとも簡単な部類に属する問題です。
[A]ベクトルの内分点の問題(2014昭和大/医113)
[A]ベクトルの内分点の問題(2014日大/医17)
[A]ベクトル方程式の交点を求める問題(2008年東京理科大/経営1)
この問題は類題が、ざっと調べただけでも、東京電機大(2003年)、東京都立大(2004年)、早稲田大(2006年)、北海学園大(2007年)、関西大(2011年)などで出題されている超頻出問題です。この程度の問題ならばメネラウスの定理を利用しても解けます。
[B]ベクトル方程式の結合係数の存在を示す問題(2014年阪大理系1)
[B]平面に下した垂線の足にかかわる問題(2017年大阪府大理系2)
[B]平面ベクトルの1次結合の係数の存在領域の問題(2004年東工大3)
[B]ベクトルの1次結合に関する基礎的な問題(2011年阪大文系3)
[B]直線の方程式と内積の問題(2014年京大理1)
ベクトル方程式とベクトルの内積の両方を利用する良問です。
メネラウスの定理の方が解きやすい問題です。
[C]メネラウスの定理を適用する問題(2021年札幌医大2)
[C]ベクトルの内分点の応用問題(2017年東大文科2)
[C]平面三角形に関するベクトル問題(2009年阪大文系2)
[C]円に内接する四角形の頂点のベクトル表現の問題(2000年京大文1理1)
[C]平面図形でベクトル方程式を複数回利用する問題(2013年京大文2理1)
[C]ベクトル方程式を複数回利用する問題(2014年自治医大17)
[C]ベクトルの内分点と数列の融合問題(2014順天堂大/医14)
[C]平面ベクトルの1次結合のかなり難しい問題(2016年千葉大/医5)