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■大学入試に役立つ計算力

意外かもしれませんが、数学入試突破に必須なのが「計算力」です。膨大な量の計算を最短時間で最高効率でこなすことがどうしても必要です。できる限り暗算が望ましいが、暗算ばかりでは間違いを犯すリスクが大きくなるので、「ここまでは暗算、これ以降は筆算」として自分で境界線を引き、日々暗算能力を上げていくことが必要です。
●基礎の暗記・速算
まずは、累乗、平方、階乗と小数↔分数変換です。これらを暗記できていると、主として次のような場合に便利です。

  • 素因数分解
  • 数の大きさの把握(例:1.5^2<2.5、3/7>0.4など)
  • nCr の分母分子の速算
  • 根号外し

累乗・平方は、素数の場合を覚えておいて、合成数は筆算で、というのが手っ取り早い方法です。


●加減乗除の暗算のテクニック
加減乗除を計算式通りにやっている人は多分いないでしょう(算盤のプロはわかりませんが)。
○加減算:キリのいい数字に分ける/まとめる
N+98=N+100-2
N-198=N-200+2
○乗除算:4,5,8の倍数や15,25,35,45の偶数倍など
偶数×5の倍数 238×5=119×2×5=1190
4の倍数×25  16×25=4×4×25=400
8の倍数×125 24×125=3×8×125=3000
35の偶数倍 35×22=70×11=770
他にもたくさんありますが、方法を覚えることが目的ではなく、オーダーを間違わずに早く正しく計算することが大事なので、少しずつ増やしていけばよいし、上にあげた方法以外は頻繁に使わないと間違うことも多いので、こんなもんでいいでしょう。

●計算間違いを減らすテクニック
筆者は、数学・物理はほぼ満点で理Ⅰに現役合格しましたが、その遠因は高校時代にハマった大穴から高校2年のうちに抜け出すことができたからでしょう。筆者は高校2年の時の定期試験で数学と物理で「16点と24点」を取ったことがあったのです。
原因は計算間違いで、教師から出席簿でキッチリ叩かれました。これが高校3年ではなく高校2年だったことが幸いし、その年のうちに90点を切らないように自分を再教育しました。計算間違いを減らすには次の3つのテクニックが必要でした。

  • 計算の過程のところどころのキーポイントをメモで残す(検算を早くするため)。
  • すべての計算を2種類用意して両方やって、答えが一致させる。
  • 数値のオーダーをいつも気にする(トンデモナイ誤答はすぐに気が付くようになる)

そのためにまず重要なことは、計算スピードを上げるために、できる限り「間違えない暗算」を身に着けることです。それが上に示した「基礎の暗記・速算」と「加減乗除の暗算のテクニック」です。