■媒介変数曲線問題の基礎
●媒介変数表示曲線などの例
媒介変数表示、極座標と極方程式の関係をまとめておきます。極座標は媒介変数表示の一種であり、xy座標を動径rと偏角θで表したものが極座標、動径rと偏角θがこの場合の媒介変数です。極方程式は、曲線を動径rと偏角θで表したものです。まずは最初に、これら3つによる「円の表示」を比較して理解してください。
・xy座標 x2+y2=a2
・極座標 x=acosθ、y=asinθ
・極方程式 r=a
●媒介変数表示曲線の分類
媒介変数表示曲線の名称は横文字のオンパレードで、とっつきにくいのですが、さまざまな特徴で分類して表にしてみました。「回転系」は円が転がる運動で生成されるもの、「非回転系」は極座標関数など、回転運動に基づかないものです。リマソンは非回転系ですが、その特殊形がカージオイドとなり回転系へ接続します。
「回転系」には、定円の内外を動円が滑らずに回転する場合と、直線の上下を
動円が滑らずに回転する場合とがあり、それぞれ定点が円周上にある場合と円の内外にある場合があり、それぞれ次のようにいろいろな名前で呼ばれます。


●3種類の積分公式
極座標での積分は直交座標の積分を変数変換して得られますが、極方程式の場合の面積積分だけは計算公式があります。弧長積分も極方程式のための積分公式がありますが、公式がない場合は、極方程式から極座標に変換して実行します。
●極座標と極方程式
平面上の曲線を (r, θ) を用いて表す座標を極座標といい、F(r, θ)=0で表される方程式を,その曲線の 極方程式 といいます。 比較には、次に示す「デカルトの(正)葉」のさまざまな表示形式が適しています。
●リマソン曲線の極方程式とグラフ
次に示すのは一般的に「リマソン曲線」と呼ばれるもので、極方程式が比較的簡単なので、入試問題によく取り上げられる主題です。曲線が極方程式で与えられている場合、面積、回転体体積や弧長積分は、極座標に変換して計算しますが、面積だけは極方程式専用の計算公式があります。
- r=2+cosθ(2009年京大理系)
- r=1+cosθ(2009年京大理系甲、2016年神戸大理系5)
- r=2(1+cost)(2011年名古屋市大)



