■高次方程式(3次以上)
●高次方程式の解と係数の関係
高次方程式の問題では、因数定理を利用してできる限り因数分解するか、因数分解が見込めない場合は解と係数の関係を利用して解きます。例として3次方程式で解説します。
[A]3次方程式の解を利用する問題(2014年慶應大/理工11)
[B]3次方程式の2組の相異なる3つの解の問題(2008年一橋大2)
[B]2次式で割る因数定理の問題(2011年慶大/医11)
[B]3次方程式の解から係数を求める問題(2011年上智大/経済経営11)
[B]3次方程式の解の正負を調べる問題(2002年阪大理系1)
[B]2つの3次方程式の実数解の問題(1991年京大文系4)
[B]3次方程式と対称式に関する問題(2018年慶応大/理工12)
[C]3次方程式を決定する問題(2016年京大文系5)
[参考問題]
[E]2次方程式を決定する問題(2016年京大/理系6)
●n次方程式の解法
2次方程式には解の公式があり、3次・4次の方程式にも代数的な解法が存在して必ず解を得ることができますが、5次以上の方程式には代数的な解は存在しないことがわかっています。5次次方程式の一般的な解法はありませんが、はさまざまな方法で解くことができます。
代数的な解とは、加減乗除や開平法によって得られる解のことです。しかしながら、n次の最高次の項しかない方程式は、因数分解によって解くことができます。右辺が1の場合の解の概要を下図に示します。右辺が1ではない定数の場合の解は、下に示す解の定数倍です。3次や5次の場合は、三角関数と複素数の「ド・モアブルの定理」を使って解くこともできます。
右辺が1の方程式は、2次の場合は因数分解で簡単に解け、4次の場合は2次の場合を拡張して解くことができます。3次や5次の場合はまずx=1が解であり、残る偶数個の解は2つずつ互いに共役複素数になります。そのため、三角関数と複素数の「ド・モアブルの定理」を使ってかならず解くことができますが、多項式のままで解くこともでき、これは「相反方程式」と呼ばれます。
三角関数の奇数倍角の公式は、二項定理によって書き下ろすことができます。
●4次方程式の解法
[A]4次方程式の奇数次項を消去する問題(2010年横浜市大/医11)
[B]純虚数解をもつ高次方程式の係数決定の問題(2001年京大 文1第2)
[B]4次方程式の係数の値域の問題(2017年早大/商12)
[C]4次方程式を解く問題(2008年横浜市大/医4)
[C]4次方程式の複素数解の問題(2017年東工大5)
[C]4次方程式の解と係数の関係の問題(2002年京大文3理3)
[D]4次方程式の解の存在する範囲の問題(2005年東大文科3)
■(t+1/t)の問題
入試頻出問題であり、相加平均≧相乗平均からt>0の場合値域はt≧2となります。また(t+1/t)は「相反方程式」にも利用されるものです。
[B]t+1/tの応用問題(2008年早稲田大/商11)
[B]x+1/xの応用問題(2014年自治医科大12)
■相反方程式
3次以上の高次方程式を一般的に解くことは容易ではなく、次のいずれかの問題しか出題されません。ここで相反方程式が登場します。
- 何らかの要因により、容易に因数分解できるもの。
- 複二次式(偶数次しか係数がなく、x2を置換して解くもの)
- 相反方程式(係数が左右対称的なもの)であるもの。
[A]相反方程式の問題(2020年横浜市大/医11)
[A]相反方程式の問題(2018年慶応大/理工11)
[B]相反方程式の基本問題(2008年東海大理工農2)
[B]相反方程式の問題(2018年阪大理系2)