●数学入試対策:過去問はいつから解くべきか?
このご質問は、地方で独学で難関大を目指す浪人生から頂戴したものですが、これに対して一般的な考え方を述べてみます。まず高校では下図(A)または(B)のような形で授業が進みます。ここで、数Cの位置づけに注意しましょう。数Cで学ぶ内容の大半は数Ⅲ微積分を必要としません。そういう内容は、数Bと並行して準備できます。下表では数Bに含めます。
数学Cで学ぶ主な内容
- 平面上の曲線:放物線、楕円、双曲線、極座標と極方程式、媒介変数表示 数Ⅲ微積分が必要
- 複素数平面:複素数の幾何学的な表現、ド・モアブルの定理 数Ⅲ微積分が不要
- ベクトル:平面ベクトル、空間ベクトル(※数学Bから移行) 数Ⅲ微積分が不要

そして3年になってから「やおら」入試勉強を始めるケースが多く、それは「志望校が決まらないから」などと理由をつける高校生もいますが、これははっきり言って遅すぎます。本サイトで使用しているABCDE評価を使って述べますが、難関大・医大を目指すなら、数Ⅰ・数Aおよび数Ⅱ・数Bをそれぞれ1年・2年で履修する際に、最低限青チャートレベルの問題は平行して全問マスターすることにより、BレベルおよびCレベルの半分くらいまでは解いておくべきです。 そして、履修が終わったら即、受験する大学の過去問を解き始めるべきです。そして数Ⅲに入るころには、模試で腕試しをするため、全分野の過去問を解き始めるべきです。これが(C)の型です。
- Aレベル: 教科書レベル
- Bレベル: 教科書を超えるやさし目の入試問題
- Cレベル: 標準レベルの入試問題
- Dレベル: 難問
- Eレベル: 超難問(解かない方が得)
上の図を見れば一目瞭然なように、6つの分野の入試対策を3年になってゼロから始めたら、間に合うはずがありません。無謀です。各予備校の問題集や東京出版の書籍もすべて、青チャートなどの「座右の参考書」をマスターした受験生が、一歩先を目指すための参考書・問題集です。平行して読もうと思ったら大きな間違いです。センター試験問題は教科書レベルの問題です。当然、中間・期末試験の準備に平行して、センター試験問題は解いておくべきです。
●「解題」の重要性
「問題文を読んで何も手が付けられない確率」は数学が最大です。だからこそ「難関大・医大」「文系難関大」では、手の付け方を述べた「解題」を最重要視しています。これがちゃんと書かれた問題集は見たことがありません。辛口ですが、ご勘弁ください。これが実情です。筆者の場合、地方高校から予備校なしで東大現役合格を勝ち取るために、授業の進行に平行して赤チャートをマスターして、3年からZ会のABC問題を毎月解き、予備校模試を受けまくっていました。それでも当時は過去問の解説書がお粗末で、かなり苦労しました。あの頃こんな本があったらなあ、と思って作ったのが弊著のPDF書籍群です。
●塾漬けの受験生は要注意
塾ではよく、問題集やプリントを使いますが、これは大学受験には無意味です。これらは「定期試験」レベルの問題であって、直近の近隣の中高で出題された問題であり、これらの問題集の解答は、生徒はほとんど後で振り返りません。1回限りです。しかし大学受験の場合、最低1年以上前に勉強した内容を、完全に再活用できなければなりません。そしてその難易度は、はるかに上です。簡単にいうなら、塾教材は白チャート・黄チャートレベルであり、これでは大学入試には歯が立ちません。
受験に際しては予備校で学ぶわけですが、今度は個人指導はほとんどないので、「自分で勉強」しなければなりません。塾で「指示された通りにしか勉強してこなかった高校生」は勉強の仕方がわかりません。そのうち、青チャート等で基礎力を身に着ける時期を過ぎてしまって大騒ぎ、これが実情です。