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[5]三種の不等式

●3種不等式
不等式は大きく分けて次の3種類に分類することができます。

代数的不等式
代数的不等式は、加減乗除などの計算で示すことができる不等式であり、相加平均≧相乗平均の関係は教科書に登場しますが、多くの場合、「シュワルツの不等式」や「チェビシェフの不等式」は教科書に名前付きでは登場しません。しかし入試問題の中には、これらを使わなければ解けない問題や、これらを使った方が簡単な問題は数多くあります。「シュワルツの不等式」は証明なく使ってもいいと思いますが、「チェビシェフの不等式」の場合は微妙であり、これを使う問題では何かしらの誘導が付くと思います。

これらの不等式は、高校では学べず、入試問題の中に隠れていて、出会うたびに苦労しながら解いていた部類の問題です。これらをあらかじめ学んでおけば、試験で出会っても先が見えて解きやすく、不安もなく挑戦できる、ぜひ学んでおきたい内容です。

解析的不等式
他に、関数の振る舞いを利用する「解析的不等式」のうち、「ベルヌーイの不等式」はまれに、「イエンゼンの不等式」はよく入試には登場します。これらを知っているのと知らないのとでは、焦りと時間配分が大きく異なります。難関大突破には必須です。

一方「ヘルダーの不等式」と「ヤングの不等式」は、よく重要事項として紹介されますが、調べた範囲尾では入試に出題された実績は皆無です。大学数学ではよく利用されます。

幾何的不等式
代数的不等式・解析的不等式に対して「三角不等式」は幾何的不等式ともいえる不等式です。これは、「三角形の3辺の大きさの不等式」という意味の三角不等式
  |a|+|b|≧|c|=|a+b|、|b|+|c|≧|a|=|b+c|、|c|+|a|≧|b|=|c+a|
であり、「三角形のいかなる2辺の長さの和も他辺の長さより大きい」という三角形の構成原則に根差しています。逆に、「三角形のいかなる辺の長さも他2辺の長さの差より大きい」ということから
  |a|~|b|≦|c|=|a+b|、|b|~|c|≦|a|=|b+c|、|c|~|a|≦|b|=|c+a|
が成立します。地味ながら重要な不等式です。

等号成立条件の確認
なお、不等号に等号が付く場合には、等号が成立する場合の条件を必ず確認してください。意外なところで等号が成立しないことがあり、間違いを正す好機にもなります。さらに、等号条件を確認しないと減点される恐れもあります。