●確率数列・漸化式問題の7つのパターン
確率数列の問題も難問はありますが、確率漸化式の難しいところは「確率関係を自分で漸化式に落とし込まなければならない」ということであり、ここで難易度が大きく上がります。漸化式がすぐわかる問題は簡単ですが、自分で作って解く問題は、多くは中程度から難問に属します。パターン化といっても、いくつ漸化式が必要かということで分類しただけで、おおむね、数が増えるほど難しくなります。多くは3つの漸化式の組み合わせです。
- [1]確率数列の問題
- [2]確率漸化式がすぐわかる問題
- [3]単独の確率漸化式を作って解く問題
- [4]連立の2つの確率漸化式を作って解く問題
- [5]連立の3つ以上の確率漸化式を作って解く問題
- [6]連立確率漸化式の難問群
- [7]慶應/医の長文確率漸化式問題
●確率数列の問題
[B] 2枚のカードの小さい方が3の倍数である確率の問題(2010年東工大3)

●確率漸化式を自分で作って解く問題
このパターンは難関校で頻出します。確率漸化式の問題は、多くはゲームかゲームのような直線状・平面上の移動に関する問題です。その中でも比較的やさしい問題が2014年に京大理系や一橋大で出題されました。東大や慶應大医学部などの難関大では、漸化式だけの問題はまず出題されず、整数などの新記号と絡めるか、確率と絡める問題が大半です。
特に難関校では、漸化式の解き方に誘導が示されないので、自分で解き切らなければなりません。慣れておかないとまず解けないのですが、市販の参考書ではほとんど取り上げられていないので、入試問題に対しては特別な対策が必要です。
確率漸化式の問題は、確率漸化式の数が多くなると難しくなります。最初は直線上の移動の問題など、漸化式1つの問題をマスターし、次に2つ以上の問題に進むとよいでしょう。三角形の頂点の移動の問題では最初は複数の漸化式が必要で、すぐに1つの漸化式に帰着させるので、確率漸化式が2個の問題のうちでもっとも取り組みやすい問題です。
慶應/医では、毎年同じようなパターンで、漸化式の数がほぼ3つ以上の、かなり難しい長文の問題が出題されているので、これらは[7]として分離して紹介します。
●連立の確率漸化式から容易に単独確率漸化式が得られる問題
[B]確率漸化式で解く日本最初の問題(1991年東大理1)
この問題が、大学入試で確率漸化式が出題された第1号だと言われています。以降2010年代に急激に出題が増えました。

●連立の確率漸化式を作って解く問題
[B]確率漸化式問題の中でもっとも解きやすい問題の1つ( 2011年一橋大5)

確率漸化式問題を解くには、次の2段階の計算が必要です。
- nを含む項の相互関係を数式化して一般項を求める(下図のan、bn)。
- 求める確率をその一般項から計算する(下図のpn、qn)。

●連立の確率漸化式の考え方「確率配分法」
連立の確率漸化式の数は、多くは3つ以上です。数が増えると、「nの場合の確率はどれか」と考えるより、「n-1の場合の確率はnでどこに行くのか」と考えて、「確率を配分する」考え方が便利であり、ここに慣れると解きやすくなります。この方式を本稿では「確率配分法」と呼んでいます。
[確率配分法]
この解法は次のように、発生源p、q、rのn-1のときの確率を縦に並べ、横にnのときの確率を並べて、結果を漸化式に記述すると書きやすくなります。縦の発生源は合計=1になります。これは[7]の「3つの座標の移動の問題(2014年慶応大/医2)」の場合ですが、もっと簡単な問題にも適用できます。
