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[6]約数の数と総和の問題

約数の問題は大きく分けて「個数や総和の計算問題」、「その他の約数の問題」と「完全数の問題」の3つに分類できます。

●約数の個数や総和の問題
次に示す個数や総和の公式は入試には必須です。逆に考えれば、これらの公式さえ使いこなせれば、約数の問題は非常にやさしいということになります。

たとえば自然数「12=2^2×3」の約数を考えると、その数は{1,2,3,4,6,12}の6個です。これを3の倍数かどうかで分けると、1,2,4と3,6,12に分けられ、その個数は「3×2」と書くことができます。この「3」は22のa=2に1を加えたものであり、「2」は31のb=1に1を加えたものです。つまり素因数の数が2つの場合の12の約数の数は、「2のべき乗の数と3のべき乗の数の積」であるということです。個数の次に「12=2^2×3」の約数の総和を考えます。これは「(1+2+4)(1+3)=28」であることがわかります。これはそれぞれの素因数の等比級数の積なので、上の公式に帰着されます。

[例題1]約数の和の問題(2017年東海大/医113)

[例題2]
[A]約数の個数・平均についての問題(2016年慶應理工11)
約数に関しては個数と総和を計算できますが、平均は総和を個数で割って得られます。

■完全数、不足数、過剰数、友愛数の問題
これらの数は、「博士の愛した数式」という書籍で紹介されている「特別な整数」なのですが、実は難関大の入試でもよく出題されています。初めて見るとそれらの問題はかなり難問に見えるので、その内容をここで紹介します。
完全数問題は、2000年佐賀大後期、2016年東京医科歯科大、2007年千葉大後期に出題されており、他に1986年群馬大、2017年佐賀大などにも出題があります。

●完全数、過剰数、不足数とは何か
完全数、過剰数、不足数は次のように定義されます。
自分自身を除いた約数の合計が、

  • 自分自身と等しい自然数: 完全数
  • 自分自身より大きい自然数 : 過剰数
  • 自分自身より小さい自然数 : 不足数

実例を右に示します。完全数nとその約数の合計s(n)の間には「s(n)-n=n」または「s(n)=2n」の関係が成立します。
●100までの自然数の分類
100までの自然数を分類すると、次のようになります。完全数には「ものすごい希少価値」があることがわかります。
○過剰数: 22個(約数の和の最大値は96の約数の和の156)
○完全数: 2個(6と28のみ)
○不足数: 76個(そのうち素数は25個)

●メルセンヌ素数完全数

完全数は2014年時点で48個が見つかっており、これらはすべて偶数であり、末尾はすべて6か8です。これらの完全数は「メルセンヌ素数」と呼ばれる、素数をpとして「 (2^p)-1」で表される「特別な素数」と1対1に対応しています。つまり、メルセンヌ素数に対応する数は完全数であり、全ての偶数の完全数がメルセンヌ素数に対応しています。「偶数の完全数が無数に存在するか」「奇数の完全数は存在するか」「末尾が6か8以外の完全数は存在するか」という問題は未解決だそうです。

●友愛数は2つの自然数の組
完全数などは1つの自然数の話ですが、友愛数(親和数)は「自分自身を除いた約数の合計」が、互いに相手と等しい「2つの自然数の組」です。一番小さな友愛数の組は(220、284)です。

  220の自分自身を除いた約数の合計が284、284の自分自身を除いた約数の合計が222

これは完全数2つ分以上の希少価値があります。
友愛数の他に「婚約数」(準友愛数)というものもあり、これは「1と自分自身を除いた約数の合計」が、互いに相手と等しい2つの自然数の組です。一番小さな婚約数の組は(48、75)です。