●入試問題を解く正しい方法論
入試を突破するにはいくつかの方法論があります。まずは入試問題を解く方法論。よくある解答速報では、よく練られた美しく完全な解答が出てきますが、それでは解答に至る道筋がわからなかったり、図が不足していたりします。当サイトでは、できるだけ本当の答案に近い、ともすれば泥臭い解答と、その前後に「解題」と「補足」をご提供します。次は心理面です。
1 高校ではすべての試験で満点を狙え!
日本で有数の難関であることには間違いありません。京都大学の入試問題ほど個性的ではなく、基礎的な計算を着実に、しかしとめどなく早くこなすことが要求されます。「早く正確に」です。そうすると、高校での定期試験も高校内外の模擬試験もすべて、「早く正確に」という点からは、東大入試の事前練習です。「すべての試験で満点を目指せ!」これが最短距離です。
2 弱点は即時強化、明日明日に延ばしてはいけない
たとえば定積分、数列、級数、漸化式、整数問題など、ある日突然手が止まることがあります。それが自分の弱点分野です。その日のうちに、二度と手が止まらないように、満足いくまで特訓です。
3 参考書は分野別に用意する
どの分野にはどの参考書がいい、ということは最初から用意しておくことが肝要です。たとえば定積分、数列、級数、漸化式、整数問題などと挙げましたが、参考書には得意分野があり、分野ごとに参考書を選んでおくべきです。筆者は、座右の書は「赤チャート」で、他に「モノグラフ」(科学新興新社)もよく使いました。今なら、青チャートをベースに、入試の核心や河合塾ハイレベル数学なのでしょうが、これらは問題を羅列した解説書であって、体型的でも難易度順でもありません。
●入試問題の正しい解き方
1 答案用紙を真ん中で2つに分けて使う
線を引かなくても、真ん中に折り目を付けて、その左右数ミリあけて解答を書きます。これにはいくつかの理由があります。
(1)答案が見やすくなる

この理由は、「ドラゴン桜」でも述べられていますが、筆者も実践した方法です。横に長ーい数式は非常に読みにくく、まっすぐ横に書けるはずはないので、どんどんミミズのように上下にゆれて、読みにくくなっていきます。
試験官も人間ですので、読みにくい答案は余りじっくり読もうとはしない、結果として何点か失うかもしれない、ボーダーラインに乗った時のことを考えれば、ぞっとしませんか? できるだけ負担のない方法で読みやすい答案を書くように努力した方がよいのは当然でしょう。
(2)答案が検算しやすくなる

数式は、1行ごとに順を追って確認できるように、たとえば
- 展開する
- 加減乗除をする
- 因数分解する
- 変数変換する
- 基準形に変形する
などのように、1行ごとにステップバイステップで計算すべきです。そしてそのように書いてあると、「同じ項を上下の近いところで比較できる」という非常に大きなメリットがあります。検算をすばやくできるのです。
2 時間配分に注意する
時間配分は、自分の力を最大限に発揮するために必要なことです。制限時間は、理系は150分で6問を解き、文系は100分で4問を解くわけですが、その時間の2割は、全問解答してあろうがなかろうが、解くのをあきらめて、すでに解いた部分の確認をする方が効率的です。
解けないかもしれない問題と格闘するより、エラーをなくして点数を稼ぐ方が容易です。そうすると、理系は1問を20分で解いて30分が検算時間、文系は1問を20分で解いて20分が検算時間となります。くしくも1問20分となります。同じようなことを東大の出題者も考えているのかもしれません。
次に、全問に関して少しだけ手を付けてみて、次のどのレベルの問題か、どれくらい解けそうかの見通しを付けてください。
- 見通しが見えて、多分解けると思う
- 得意の分野なので、多分解けると思う
- 苦手な分野なのでよくわからない
- オリジナル問題であり、やってみなければわからない
当然、上の方に属する問題から解きます。20分以下で1問解けたらそれは余裕が生まれたということです。その20分との差の時間は次の問題で使っても構いません。しかし、全問解きたいからとこの時間配分を変えることはお勧めしません。難易度と所要時間は無関係、簡単でも手間のかかる問題はあるからです。
3 題意を解答用紙の冒頭に整理する
これがもっとも重要な作業です。何度も問題文のテキストを読み返していてはどんどん時間をロスします。まずは、できるだけ文章は使わず記号を使って、これから行う作業を記述します。たとえば図形やグラフを使った問題の場合には、すべての記号を使って図を描いておきます。本稿の問題解説においても「解題」として表記します。
ドラゴン桜では、問題を解く冒頭に「自分は問題を理解していますよ!」というメッセージを採点者に対してアピールしろ、といっています。これはほぼ「創作」です。相当解き進めなければ問題の本質は理解できません。だから、最初からその問題の本質がわかるはずがありません。文系あるいは文理共通では、初めから解き方がわかる問題も散見されますが、それは採点者もわかっているので、今度は採点の邪魔になるだけです。
ただし、一応解き終えた後で、確認の意味も込めて、解き方の道筋を、解答のあちらこちらに書き込んでおくことは意味があるかもしれません。その過程で改めて気が付くこともあるので(分母が0にならないことの書き忘れとか)、得点を増やすには意味があるかもしれませんが、解けていなければ時間の無駄です。
●大事なことは「絶対諦めない」こと
ドラゴン桜じゃないけれど、理科の合格予定者数は、理IIIを除いても1500人近く、国内最大規模です。やるべきことをやれば、かならず、だれでも、入れます。脅すわけではないけれど、受かって大学に行ったら、なんと大学1年の数学をほとんど終わっている同級生が何人かいました。頑張ればそれくらい余裕が生まれる、そうすれば逆に出題者の意図を読み取ったり、問題の背景を推測したりすることができるかもしれません。
●どうして東大なのか
ドラゴン桜では「馬鹿とブスは東大に入れ」といっていますが、それだけではないと思います。まあ、あれは、受け狙いともいえますし、卒業すれば学歴が使えるというのは90%は間違いないでしょう。しかし、そんな考え方を嫌う企業もあります。結構多いでしょう。人事部が嫌わなくとも、他の社員が嫌うケースは多いと思います。
小生が東大を選んだのは、「(一応)優秀な先生方が揃っている」「(国立なので)学費が安い(小生のころは入学時の授業料は月額3000円でした!)」「家庭教師などをやれば収入が多い」というような理由でした。生涯尊敬できる先生方もたくさんおられました。「生涯の師」を得られること、これが最大のメリットでしょう。