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大学入試に公式証明が頻出する理由

近年は少し収まっていますが、定理や公式を証明せよ、という問題が一時期かなり頻繁に出題されました。これは、「暗記するばかりで中身を理解していないのではないか」という危惧の現れだと思います。出題する先生方の多くは、大学1・2年生に数学を教えている先生方だといわれています。「受け入れてみたら何にも知らない」という事件がよく起きていると想像します。問題は、教科書をしっかり勉強していれば必ず解けるレベルの問題なので、もし公式証明問題があったら「ラッキー!」と喜ばなければなりません。ほとんどが[A]ランクです。

このような試験の出題傾向のみならず、公式の成り立ちや根拠を理解しておくと、公式を「度忘れ」した場合、あるいは記憶が不確かな場合には、もっと基礎的なところに戻って確認することができます。あやふやな記憶で間違いを犯すよりははるかに安全でしょう。「急がば回れ」です。実は筆者は「暗記が大の苦手」で、2次方程式の解の公式もうろ覚えで、いつもその場で作っていました。ですから三角関数の公式はいつも、基本の公式に戻って確認していました。そして、暗記が苦手でも、東大現役合格は達成できました。

[1]幾何と計算の基礎
恐ろしく簡単な幾何の問題が2012年に出題されたので紹介しておきます。京大で幾何の基礎知識の不足が問題視されたのでしょうか。また、佐賀大/教育では一時期基礎的な問題が連続して出題されました。これは教育学部では当然かもしれません。

[2]図形と方程式の基礎
この分野でも多くの問題が出題されています。これも、「暗記するばかりで中身を理解していないのではないか」という危惧の現れだと思います。

[3]三角関数の基礎
「円周率が3.04より大きいことを証明せよ」(2003年東大理科6)という、20文字の短い問題が出題され、物議を醸したことがあります。あくまで想像ですが、先生方と学生の会話で、「円周率とは何か」という話題が持ち上がって、「円周率って3.14?」とかいう「とぼけた」答えが学生から出たのではないでしょうか。本人はボケたつもりだったのかもしれなのですが、確かにそんな学生がいた時代もあったと思います。大学生なら「円周の直径に対する比率」と答えるべきでしょう。また一時期、小学校で「円周率は3として計算してよい」という時期がありました。これでは「円周率と3との相違」を一生知らずに過ごすことになりそうです。

上の短い問題に、受験生は唖然としたことでしょう、短さにも、中身にも。すると今度は京大で「tan1°は有理数か」(2006年文理後期)という、今度はなんと10文字の、文章が完結もしていないような短い問題が出題されました。これは何らかの対抗意識が働いたのでしょうか。確かに「短いほど良い」という風潮が理系にはあります。

すると次に、三角関数の公式を証明する問題が続々と出題されました。なんと1999年の東大入試には、三角関数の加法定理を証明させる問題が出題されました。この問題の正答率は非常に低かったそうです。その他2008年には、3倍角公式、和積公式や正弦定理に関する問題も出題されています。

[4]微積分公式の基礎
ここまで来ると、「暗記するばかりで中身を理解していないのではないか」という危惧ではなくて、「使っている公式の意味を理解しているか」くらいの意味でしょう。。

[5]論理証明
一見当たり前に見える内容を証明する問題です。「どのようにしたら証明できるか」が問われます。