解答の書き方と本講の解答

●答案の書き方
 入試では、漢字を書いている暇はありません。例外を除いて、できるだけ文章は書かない方が多くの問題を解くことができます。頭の中で漢字を思い出していてはまったく時間の無駄です。日本語を書かなくても数学では、多くの場合は記号を使えば同じ意味を表すことができます。

●答案に使える記号
 次の記号は答案で使えます。
○論理的帰結   「→」 (例:「A→B」のように)
        「∴」(したがって)
        「∵」(なぜならば)
○論理的連結   and、or、but、if など
○条件の列挙   縦に併記するための片括弧「{」
○定義     「≡」 (例:f(x)≡ax+b、f(x)をax+bと定義する)
○図形の記号  「≡」(合同)、「∽」(相似)、∠(角度)、△(三角形)、//(並行)
○合同式の記号 「≡」(例:10≡2(mod2)、10と2は法を2として合同、つまり偶数)
○近似の記号  「≒」または「~」「≈」「≅」

●数の集合に使える記号
 さらに有効なのは、数の集合への帰属を示すことによって数の種類を表す次の表現です。たとえば、「xは整数」と書く代わりに「x∈Z」、「xは整数ではない」と書く代わりに「x∉Z]と書くわけです。漢字で書くよりこの方が、手間がかからないのは明らかです。
・Z:整数 N:自然数
・Q:有理数
・R:実数
・C:複素数
 また、「すべての」を「∀」、「存在する」を「∃」で表すのも正式な表記ですから、これを使える場合には使っても構いません。(∀x∈Z:x≡0(mod2)、すべての偶数)

●どうしても必要な日本語
●例外1:証明問題や整数問題など
 次の日本語だけはどうしても必要です。
・「成立を仮定する」「nでの成立を仮定してn+1での成立を示す」
・「奇数」「偶数」「素数」「有理数」「無理数」「互いに素」「仮定する」
・「を法とする剰余類」

●例外2:答案ではなく解説の場合
 基本的には 上の答案の記述のルールに従いますが、わかりにくくならないように、論理展開や注意事項・補足説明は日本語で記述します。ただし可能な限り、これらの説明は前段の[解題]や後段の[補足]にまとめます。

●計算過程を省略しない
 本稿のもう1つの特徴は、計算過程を省略しないで示していることです。ここを省略されると困ってしまう受験生はかなり多いのではないでしょうか。
 また、①②のような記号を使った参照はできる限り避けています。これらの記号を追って読み進めるのは非常に面倒で、理解を阻害します。その代わりに、同じ式を、必要あれば何度でも繰り返します。その方がわかりやすいと思います。

●本稿における解答の記述の特例
 本書・本講では「⇒」も利用します。これは、「改行の代わり」と思ってください。
 また、等号付き不等号(≧、≦)の棒の数が、本文中では2本ですが数式中は1本です。これは本書で使用している数式ソフトの仕様なのでご勘弁ください。